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日本の歴史と現状。

安倍政権は「日本の優れた技術」などと言い続けていますが、急速な産業の衰退プロセスが、今や進行中です。茹でガエル状態で、ひたすら麻薬漬けのような金融緩和をやっていますが、実態としての日本の産業競争力がもうほとんど壊滅に近いくらいに衰退していることをごまかしている。クラウドコンピューティング、5G、半導体、ディスプレイ、デジタル通信機器、バイオ医薬、東芝や三菱重工のようなエネルギーや重電機などでも世界シェアを失い、リチウム電池でさえそうです。

ところが茹でガエルなので、今のままでも何とかなっているじゃないかという、危機感のまったくない現状です。

たとえば、化学産業。今では日本の半導体産業やディスプレイ(液晶や有機EL)などが衰退しているうえに、その素材産業も対韓輸出規制で大きな打撃を受けた。実は、4大公害裁判をくぐる中で、自動車産業が排気ガスの規制で非常にいい技術をつくったのと同様に、日本の化学産業も過去の反省にもとづいて、非常に高純度で、不純物や有害物を出さないような仕組みをつくってきた。それが、本体の崩れてしまった電機産業の半導体産業が潰れている中で、素材中心の化学産業が韓国企業と協調して共同で開発してやってきたのに、全て排除される事態がもたらされた。

基本的な経済としてはひたすら金融緩和で円安を誘導して、労働法制を解体して、賃金を抑制し続けた。技術革新が充分にないまま、リストラを繰り返しているだけなので、企業としては円安と賃下げの中、古くさい製品の価格競争力で何とか持たせているということが繰り返されてきたわけです。

しかも産業の戦略性のないのは政府だけじゃない。経営者も非常にバカで、アメリカ的なファンドなど金融利害の人たちのインチキ議論に乗って、「選択と集中」などと、日本の半導体にせよ、電機産業にせよ、全部アジアの台湾、中国、韓国に外注に出す。それでコストを下げると言うものの、結局簡単に技術を真似されて、あっという間にキャッチアップされてしまうということを繰り返してきたわけです。

…だそうです。私の意見じゃないからね。
第三者の客観的な文章です。