• このエントリーをはてなブックマークに追加
「闇バイトに応募した。強盗をするために集まったメンバーで、互いに面識はなかった」

 東京都中野区で昨年12月5日に起きた強盗致傷事件で、住所不定無職の和野正弘被告(34)は警視庁の調べにそう述べた。

 事件は昨年12月5日、中野区上高田の民家で発生。複数人が押し入って住人男性(49)を殴り、現金約3000万円を奪って逃走した。和野被告は現場から逃げ遅れ、近くの路上で取り押さえられていた。

同じグループの関与が疑われる事件のうち、山口県岩国市の民家で昨年11月に起きた強盗未遂事件では既に5人が起訴されている。この5人も闇バイトで集められており、住所は札幌市、宇都宮市、東京都、愛知県とバラバラだった。

このうち東京都江戸川区の会社員渡辺翼被告(26)(強盗未遂罪などで起訴)の公判で検察側は、渡辺被告が借金返済のためSNSで「日当100万円」とする闇バイトの求人を見つけて応募したと指摘。指示役からは強盗を意味する「タタキの仕事」との説明を受けたが、高額報酬に目がくらんだという。

「闇バイト」を巡る事件は近年、多数起きている。2019~20年には首都圏で「アポ電(アポイントメント電話)強盗」が頻発したほか、ガス設備などの点検を装った「点検強盗」事件でも指示役がSNSで実行役を集めていた。

オレオレ詐欺などの「特殊詐欺」グループも、SNSで「未経験歓迎」などとうたい、高齢者宅で現金を受け取る「受け子」などを集めている。

SNSの実態に詳しい森井昌克・神戸大大学院教授(情報通信工学)は「闇バイトの募集には隠語などが使われ、削除要請や規制は難しいのが現状。警察による摘発に加え、安易に応募すれば重い刑罰を受ける可能性があることを周知する必要がある」と話した。

過去にも「闇サイト」を媒介に集まった見ず知らずの3人の男が、一面識もない磯谷利恵さん(当時31)を帰宅途中に拉致、暴行・脅迫を加えてキャッシュカードの暗証番号を聞きだした後、さらに暴行を加えて殺害、遺体を山中に遺棄した。
事件の凄惨さはもちろん、犯行が無計画かつ短絡的であることに加え、ネット社会の闇の部分を映し出した点に注目が集まり、大きく報道された。