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春にベトナムへ語学研修に行ったときのこと。
初めてのベトナム(しかも初海外でした)、来て二日目に、あろうことか私と友人の二人は、地図も持たずに外出。八月革命通りを10区に向かってひたすら歩いたのです。
外出したのは、確か午前十時ごろ。歩いている内に気温も上がってきたし、結構歩いたからそろそろ戻ろうか、という話になったのですが・・・。路地に入り込んだりしていた私達は帰り道がわからず、立ち往生。なんとか帰ろうとするも、ますます迷うばかり。トナム人に道を聞いてもみんながみんな違う方を指差すので訳がわからない。
「タクシーに乗ろうよ」と言ったのですが、友人はトラブルが心配だったようでそれを拒否。二人は黙って歩き続け、あるFUJIFILMの前に来ました。
「ここで聞いてどうしようもなかったら、タクシーをつかまえよう」と、店主のおじさんに事情を話すと、やはり「タクシーで帰った方がいい」とのこと。それでもやはり躊躇する友人と、彼女を一人にするわけにもいかない私。そんな私達を見ていた店主のおじさんが、何やら手招き。
おじさんのジェスチャーから察するに、バイクで送ってくれるとのこと。まさに救世主でした。
その人は、途中何人かに道を聞きながら、店員の男性と二人で、私達を宿泊先のゲストハウスまで送ってくれたのでした。もちろん、お金をとられたりもせず、彼らは笑顔で帰っていきました。
あのときの自分達の無謀さ。あのおじさんのやさしさ。
時々思い出しては笑いながらこの話をしています。
もしかしたら、何でもない、一笑にふされるような話かもしれません。でも、あの時のエピソードが、私の気持ちをベトナムへ向かわせます。