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2004.11.23
ベトナム人女性送還、暴行で入国管理局職員を告訴

 強制送還されたベトナム人女性のチン・ティ・ギアさん(29)が11月22日、送還時に手足を縛られるなどして負傷したとして、同センターの職員数人を特別公務員暴行陵虐致傷容疑で大阪地検に告訴しました。
 ギアさんは03年1月、万引きで3度目の逮捕。実刑判決を受け、仮出所後にセンターに収容されていました。その後、大阪・茨木の入国管理局での収容は約1年と長期化。ベトナム難民との夫と子どもと引き続き日本で暮らしたいと希望していたためです。難民認定されている夫はベトナム政府に受け入れを拒否されているため、送還されればいっしょに3人で暮らすことはできなくなるのでした。
 収容が長期化するにしたがい、注目を集めるようになり在阪の人権団体もギアさんの仮放免や在特を支持して動き始め、退去令書の取消を求め地裁に提訴した矢先の11月7日に事態は急展開します。
 この日、入国管理局は、本人の帰国の同意が得られないまま送還の執行を強行。「帰らない」と抵抗するギアさんは、手錠などで手足を拘束され、毛布にくるまれたまま空港に連れて行かれ、機内でも職員に胸に乗られ、押さえ付けられることに。執行を伝えるマスコミは、足などに大きなアザのある写真を掲載していました。
 もともとは、外国人やその家族が事件を起こしたら、たとえ服役後でも送還すべきなのかどうかという重要なテーマを含んでいるこの事件です。あくまで外国人は「客人」扱いの結果が、入管職員による暴行事件へと展開してしまいました。ぜひ下記リンク先のサイトをご覧下さい。


●関連リンク
在阪人権団体の特設ページ
記者ルポ:引き離されたベトナム人家族(Mainichi Interactive 10/22)
送還時に受けたアザの写真